ビジネスパーソンの英語コミュニケーションのために

ETNのアプローチ

6.英語の習得に必要な学習時間

単純に学習時間だけを見た場合、英語を習得するには最低でも3,000時間の学習が必要だという結論が導き出せます。

アメリカやカナダでの語学習得に関する事例、ETNの日本人Tutorの方々の経験等を総合すると、学習方法など時間以外の要素を無視して単純に時間だけを考えた場合、英語の習得には、一般的に3,000時間以上の学習が必要であるといえます。中学・高校6年間での英語の学習時間は、授業と自主学習を合わせても多くて1,500時間程度と想定されるので、それだけでは英語ができなくても当然といえます。これから英語を習得しようとするビジネスパーソンで、高校卒業以来英語にほとんど触れていない方であれば、単純に計算すると、 最低でもあと1,500時間程度の学習が必要ということになります。1,500時間とは、1日1時間学習したとすると4年程度、1回1時間の英会話学校に週2回通った場合、単純に計算すると14年はかかります。

英語習得に必要な学習時間

日本の中学・高校での英語の学習時間は、授業時間と自宅学習を合計した場合、トータルで1,500時間程度です。

中学校での英語の授業は、通常50分の授業を週4回です。1年を35週とした場合1年で約117時間、3年間で約350時間です。高校では、通常50分の授業を週5回です。1年間で約146時間、3年間で約437時間です。したがって中学・高校6年間で英語の授業はトータル約787時間になります。これに自主学習時間を加えなければなりませんが、まじめに予習・復習した場合を想定し、授業時間と同じ時間の約787時間を自主学習にあてたとすると、中学・高校6年間での英語の総学習時間は約1,500時間になります。自主学習はほとんどやらなかった人もいるでしょう。また、大学の受験勉強をされた方であればもっとやった方もいると思います。あくまで想像ですが、1,500時間というのは、かなりまじめに英語を勉強した方と言えるのではないでしょうか。では、「日本人は中学・高校と6年間も英語を学習してきたのに全く英語が使えない。」と言う事をよく耳にしますが、英語を習得するには、この1,500時間程度で十分なのでしょうか? (繰り返しになりますが、ここでは学習時間のみを考慮し、学習方法については無視します。)

中学・高校6年間の英語総学習時間(想定)

米国務省の新人エリートが日本語の習得に要した必要研修時間の平均値は2,400〜2,760時間です。

アメリカ国務省の付属機関であり、国務省に採用された新人エリート向けに外国語研修を行っているForeign Service Institute (FSI)が、外国語の必要研修時間の平均値を公表しています。それによると、英語を母語とする研修生が、日常生活にほとんど差し支えないレベルの日本語のSpeaking能力を獲得するまでに要した必要研修時間の平均値は2,400〜2,760時間だそうです。但し、FSIの研修生は国務省に採用されたエリート、将来の官僚・外交官です。一般の学習者の場合は、より多くの時間がかかると考えるべきでしょう。ちなみにFSIは、外国語をその難易度(英語を母語とする研修生にとって学習が困難な度合い。つまり、英語との言語間の距離が遠いか近いか)によって4つのグループに分類しています。それぞれのグループに属する外国語と、その必要研修時間の平均値は下の表の通りです。フランス語などは、英語と同じインド・ヨーロッパ語族に属しており言語間の距離が近いので、必要な研修時間は日本語の場合と比べて3分の1以下の720時間となっています。英語のネイティブ・スピーカーにとって日本語の習得は非常に難しいことがわかります。そしてそれは、日本語のネイティブ・スピーカーが英語を習得する場合にも当てはまります。

米国務省のエリートが日本語を習得する平均時間

戦前の米海軍日本語学校で、日本語の知識が全くない状態から始めた場合の学習時間は、約4,500時間という統計があります。

これはかなり前の資料になりますが、戦前の米海軍日本語学校で4,500時間学習した後は、日本人捕虜の尋問や新聞も読めるようになったという記録があります。この事例とアメリカ国務省の事例はアメリカ人が日本語を学習する場合なので、日本人が英語を学習する場合にそのまま摘要することはできませんが、非常に参考になります。

カナダでは、距離が近い英語とフランス語間でも、どちらか一方のネイティブ・スピーカーがもう一方の言語を習得するには2,100時間は必要と判断されています。

カナダでは40年近く「イマージョン方式」によるフランス語と英語のバイリンガル教育を行っています。イマージョン方式というのは、具体的にいうと、算数、理科、社会といった主要教科を学習するときに外国語を使うやり方です。フランス語が母語の小・中・高校の学生に対してこの方法で英語を習得させる場合、中級レベルの目標である、「ときおり辞書の助けを借りる程度で、新聞や興味のある本を読め、テレビやラジオを理解し、会話の中でまずまずの対応ができる」までになるには、最低でも2,100時間かかるとされています。これは、FSIが発表しているフランス語習得の必要研修時間720時間(上の表参照)の約3倍です。英語とフランス語は、言語間の距離からいえば英語と日本語よりかなり近いので、日本人が英語を学習する場合は2,100時間以上かかるはずです。FSIによると、英語ネイティブ・スピーカーにとって、日本語の習得はフランス語の場合と比べて3倍以上の時間が必要であるとされています(上の表参照:フランス語が720時間に対し日本語は2,400〜2,760時間)。これをカナダの2,100時間に適応してみると、日本語の習得には6,300時間以上が必要ということになります。

ETNの調査では、ETNのTutorなどの英語を習得した日本人が英語の学習に費やした時間は、4,000〜5,000時間が大多数を占めていました。

日本人が英語を習得するのにどれくらいの時間が必要なのか、それを把握する為に様々な資料や統計を探しましたが、残念ながらそのような資料は見つかりませんでした。従って、まず著者の経験を述べさせて頂くと、私の場合は、中学・高校では自主学習を含めて上記で推定した約1,500時間に、大学(英文科)の授業、ビジネススクール受験の為のTOEFL、GMAT(米英の大学院入学時に必要となるテストで、英語で論理的思考力、数学の基礎等の学力を計るテスト)対策学習に要した時間を加えた場合、トータルで3,000〜4,000時間は英語学習に費やしたと思います。この時点でTOEFL630点を取得したのですが、使える英語を身につけたといえるにはほど遠く、特に「話す」ことに関しては到底使えるレベルではなかったことを覚えています。その後、特に英語の学習はしていませんでしたが、ビジネススクールで2年、業務で3年程度英語を使用した後にTOEIC®を受ける機会があり、その際990点を取得しました。従って、授業や業務で英語を使った時間を考慮すると、仕事でそれほど支障なく使える英語を身につけるまでに、4,000〜5,000時間はかかったのではないかと思います。私の知人(TOEIC®900点以上で、業務上支障なく英語を使用されている方々)や日本人Tutorの方々にもリサーチした結果、4,000〜5,000時間という方が大多数を占めていました。

上記のアメリカやカナダでの事例、日本人Tutorなどの方々の経験からすると、一般的に英語を習得するには最低でも3,000時間の学習が必要であることが見えてきます。

そうすると、日本人の中学・高校での英語学習時間では到底足りず、最低でもあと1,500時間の学習が必要になります。しなしながら、学習方法によってある程度短縮することも可能と考えます。1,500時間という数字は、個々の能力や学習方法によってかなりの幅がでてくることも確かです。実際私が英語を学習していた頃と比べて、現在では神経科学(脳科学)や認知心理学などを応用した学習方法の研究や、第二言語習得に関する研究も進んでいます。市販されている教材もこれらの研究に基づいたものが数多く販売されており、英語をより効率的に学習する環境は格段に整ってきていると思います。その意味では、効率的・効果的、および集中的に学習することで1,500時間を短縮する事は可能だと思われます。逆に、非効率な学習方法の場合は当然これ以上の時間がかかる場合もあります。英語は、誰でも“継続的に”学習していれば、どのような方法でもいつかは必ずできるようになります。しかしビジネスパーソンとしてはそのような悠長なことは言っていられません。可能な限り効率的で効果的な学習方法で、学習時間を短縮することを考えましょう。それをお手伝いするのがETNです。

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